カズ・カタヤマのステージ・サロンマジック入門講座 第11巻~本格スライハンド 四つ玉編!~
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カズ・カタヤマ氏による「ステージ・サロンマジック入門講座」の第11巻。
今回は「四つ玉」を取り上げます。
「四つ玉」に関しては、本講座の第7巻「フェイクパス編」の中で、一度「四つ玉の手順・ノーギミック版」を解説いたしました。
その際、「今後、一般的な手順を取り上げる機会もあると思いますが…」と申し上げた、その機会が今回来たわけです。
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「四つ玉」は、ボールのマニピュレーションということではあるのですが…
このボールは一応「ビリヤードボール」だという設定になっているようですね。
まあ、形状とサイズから「日常のもの」に見立てるにはそれが順当なところでしょう。
海外ではマルチプライング・ビリヤードボールズとか、ビリヤードボール・マニピュレーションの名が一般的なようです。
歴史的には19世紀のマジシャン、ド・コルタまでさかのぼります。
ベースとなるギミック原理の発明からド・コルタが祖であると言ってよいでしょうが、当時のものは今とはだいぶ違うようで、
後述する「基本セット」の形が出来上がり、固まるのはネルソン・ダウンズや「シカゴの」ロタバーグの時代とのこと。
日本では「シカゴの四つ玉」の名で販売されたためか、その呼び名でも定着しています。
日本人でも四つ玉に魅せられたマジシャンは多く、古くは天勝・天海もレパートリーとしていました(敬称略)。
また島田晴夫氏も「八つ玉」で一世を風靡されました。
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マニピュレーション/ステージ・スライハンドの代表的な演目の1つであり、
現在でもサロン・ステージでマニピュレーションを志す方にとっては基本となる題材です。
日本の奇術界でも、40年前であればステージマジックが主流・本流でしたので、
「マジック」に本格的に取り組もうという方なら、ほとんどの方が必ず手がけていたものです。
たとえば荒井晋一氏が四つ玉の名手であることは知られていますが(mML Vol.108、9周年記念号をご参照ください)
最近の方は「クロースアップマジックのクリエーターであるアフェクションズの荒井氏が、なぜ四つ玉を?」と思われるかもしれません。
当時は、時代が違うのです…マジックもより総合的、と言うか未分化で、たいていの「マジシャン」は皆、
基本的にはステージマジックができたのです。
もちろん荒井氏に関しては、当時、学生マジック界のスターであり「ステージマジシャンとして」有名だったそうですし、
四つ玉に関しても当時画期的な手順を考案され発表されて、多大な影響を与えたこともあり、
四つ玉の歴史の中では功労者として特筆すべき人物の一人でもありますので、さらに別格ではありますが。
こと日本では、現在行われている四つ玉は多く荒井氏の考え方や「流れ」が取り入れられたものとなっていて、
荒井氏の「以前」と「以後」で,根底となる「基本」の型が多少違っていると言っても過言ではないほどです。
大学や社会人のマジッククラブなどでは、代々の伝承を受けて、今なお盛んに演じられている「四つ玉」。
また一部のマジッククラブでは、伝統的に「四つ玉」を基本中の基本として「必須科目」としているケースもあるようです。
要は、クラブに入会・入部した人は、まず必ず「四つ玉」を教える(教わる)、というカリキュラムになっていることですね。
ある種「選択制」であるその他の演目・種目とは一線を画す立ち位置に置いているわけです。
それだけ、ステージ・スライハンドにおける重要で本質的な要素が、「四つ玉」には詰まっているということでもあるでしょう。
皆さんも、ぜひ「四つ玉」を学ぶことを通してステージマジシャンとしての基礎力・総合力を涵養していただければと思います。
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基本技法としてパームを使用しますので、そこに不安のある方は、本講座の第4巻「パーム編」もご参照ください。
また、第7巻「フェイクパス編」では上述したように「ノーギミック版」の「四つ玉」手順をすでに取り上げております。
そちらも参考になさってください。
ちなみに、この7巻の手順では、一般的に四つ玉における重要な「タネ」とされる「シェル」を使っていません。
シェルという「ギミック」を使わないから「ノーギミック」という意味です。
タネの部分ですからどこまでご説明していいか難しいですが、四つ玉ではこのシェルが大変重要な役目を帯びます。
ノーギミック版の手順は、これはこれで利点もありますし悪いわけではないのですが、その意味では、どちらかと言うと
「変り種」に属する手順であり、四つ玉本来の面白さや良さを十二分に含んでいるとは言えません。
今回は、より本格的な手順を多数、じっくり解説いたしますので、ぜひご堪能いただきたいと思います。
シェル1個、ボール3個の「組合せ」が、四つ玉においては「基本セット」となります。
今回もまた複数の手順を解説していますが、ボールに関してはこの基本セットで行える手順のみを収録しています。
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四つ玉の基本原理は、シェルにあります。
このシェルの存在こそが、四つ玉の最大の特徴であり、だからこそ、その「原理」を考え出したド・コルタを
四つ玉の「開祖」「始祖」としているわけです。
シェルを用いることで、全く1個しかないボールを目の前で2個に増やしてみせることが可能になります。
「逆もまた真なり」で、玉を跡形もなく消す(減らす)こともできるわけです。
また、ある程度「四つ玉」を手がけられた経験がある中で「シェルを使わない手順」を試された方は
お分かりになると思うのですが、本当にボールを4つ持っているというのは、限界ギリギリ。
余裕がありません。
満杯、ある意味「いっぱいいっぱい」の状態です。
シェルを用いることで、ボール1個分の体積的な余裕、スペースが生まれるため、
この「手一杯」感、「手に余る」感じが、だいぶ緩和され、手順を「動かしやすく」なります。
この1個分の空間的余裕を、ワンアヘッドの原理やパームテクニックなどと組み合わせて上手く活用し、
巧妙に手順を組み上げていく、これが四つ玉の醍醐味なのです。
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もちろんシェルそのものは、諸刃の剣でもあり、ギミック、タネですので、観客に見せられない部分があります。
角度にもより一層、気を使う必要が生じます。
最悪、手順の途中でボールを落としてしまったとしても、演技として多少「みっともない」だけで、
極論、拾えば済む話ですが、シェルは話が違います。
シェルを落とすことはマジックにとって致命的で、タネが露呈することに繋がります。
もっとも、最近では「いまどきシェルの秘密なんて、一般の人でも知っているよ?」と考えるマジシャンもいますが、
本当に一般の人(の大多数)は、今でも知らないはずです。
情報化社会ですから、多少興味を持った人が、情報としてその知識を得る可能性は確かに格段に上がっていますが、
そもそも興味がない人にまで知られている情報ではありません。
ここでも多少タネの話に踏み込んで書いているので「お前も加担している、同罪だ」と言われても仕方ありませんが、
それでもタネの秘密は大切にしていただきたいと願っております。
ですから、シェルは絶対落としたりせず、また、不用意にポンと楽屋に放り投げておいたりせず、
一般の人の目に触れるようなことはしないようにお願いいたします。
シェルの原理は、トリックに対してイノセントな人にとっては、物凄く不思議に見えるはずです。
玉の場合は特に、あらゆる方向に対称なその形状から、シェルのみで「そう見える」ということまで
なかなかゼロからは想起できないものです。
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入門の域を超えると、シェルを複数個使う手順などもあるのですが、今回はそこには踏み込んでいません。
というより、「八つ玉」まで踏み込むと話は違ってきますが、「四つ玉」であれば、この基本セットで十分なのです。
特にマニアをも引っ掛けようとか、特段の理由がない限りにおいては、シェルは1個で事足ります。
この「1個分の余裕」だけで、実に多種多様な「手」が生み出せ、色々な手順が作り出せるのが、また四つ玉の魅力。
ご存じない方は、今回収録されている手順だけでも「基本セット」オンリーでこれだけのことができるのか、
これだけのアイデアがあるのか、と驚かれることでしょう。
(じつは、もっともっとあるのです…四つ玉の世界は、奥が深いんです)
シェルの数を増やせば、それだけ落としたりする危険も高まります。
1個だけであれば、意識を集中できますから、比較的安心。
演技として、基本セットを使った形が、一番バランスがよく、安定感があるのです。
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もちろんシェルに関して「知っている人もいるかも知れない」というのは厳然たる事実ですから、多少は配慮したほうが
良いかもしれませんが、「みんながみんな知っているのでは?」というのは明らかに過剰反応です。
そんなに恐れる必要はありません。
また、マジックというのは面白いもので、タネそのものも重要ですが、その扱い方や見せ方によっても
見え方が全然違ってくるものです。
今回の内容を見ていただければ、シェルの概念を知っている人でも、思わず「引っ掛かってしまう」箇所もあるはず。
マニアですら、「あれ?シェルどこ行った?」に始まり、「もしかしてシェルを使っていないんじゃないか?」などと
疑心暗鬼になるほど。
ましてや一般の方であれば、五里霧中のはずです。
手を返して裏表を見せたりする巧妙なあらため技法もあれば、さりげない動作にサトルティを組み込んだり、
さらにはシェルの場所を動かして想定とは違う位置に移したり、と、様々な手を使っています。
ぜひ、その辺りにも着目して、巧妙な手順構成をお楽しみください。
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ですから、四つ玉の用具に関しては、一般的なセットで構いません。
お持ちの方は、それをお使いください。
カタヤマ氏は、大きめの玉を推奨しています。
指を締め付けて押さえ込まなくても、指間に「はまって」落ちなくなるくらいが良いそうです。
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なお、基本手順・応用手順以外に、発展手順として「ケーンとボールの手順」も解説しております。
冒頭にバニシング・ケーン、クライマックスにアピアリング・ケーンを組み込んだ演技となります。
カタヤマ氏の演技映像をご覧いただければ、皆さんもきっと演じたくなることでしょう。
四つ玉だけでは地味になりがちな演目ですが、シルクも絡め、ケーン(ステッキ)を使って
このように組み合わせてフレーミングすると、俄然、大舞台で映える見栄えの良い演技となります。
ぜひ、ご研究くださいませ。
「四つ玉」だけでなく「ケーン」の基本的な取り扱いも学べる、お得な一巻です。
「ケーン」に興味をお持ちの方も、ぜひご覧になってみてください。
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なお、余談ですが(?)「基本手順」の実演は、プロマジシャンの「ぺる」さんにお願いしました。
「ぺるりんちょ」「ぺるっちゃった」などの「ぺる語」で有名な人気マジシャンである「ぺる」さん…
このシリーズには折に触れ、チラチラとご出演いただいておりますが、演技は今回が初。
こちらも、ある意味では見どころです。
ここだけの話、実を言うと、この手のマニピュレーションが本来さほど得意ではない「ぺる」さんなのです。
カタヤマ氏の指導により、どこまで上達できたのか、その成果は如何に?
その勇姿は、初心者・入門者の方にも、きっと励みになることでしょう。
希望の星です。
「四つ玉」は、女性にも合う演目なので、女性マジシャンの方もぜひチャレンジしてくださいね!
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第11巻:本格スライハンド 四つ玉編
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■四つ玉について
●基本技法のおさらい
■フィンガーパーム
■クラシックパーム
■ローリング
■フェイクパス
■フレンチドロップ
●ステップ1 基本編
■シェルとその扱い方
■シェルによるボールの増減
■シェルへのロードとスチール
■見せ方と立ち方
= 【手順1】 四つ玉 基本手順 =
■必要なものとセット
■手順
■テーブルを使わない方法
■減少していくボール
■シルクになるエンディング
●ステップ2 応用編
■シェルのあらため
= 【手順2】 四つ玉 応用手順 =
■セット
■第1段:1個から4個に増えるボール
■第2段:4個が一瞬で1個になり再び1個ずつ出現
■第3段:右手4個が1個になり左手で一瞬に4個になる
●ステップ3 発展編
= 【手順3】 (発展手順) ケーンとボールの手順 =
■必要なもの
■バニシングケーンの扱い方
■アピアリングケーンの扱い方
■ケーンの回し方
■準備
■第1段:ケーンがシルクになりボールが現れる
■第2段:シルクによるボールの増加
■第3段:両手でのあらため
■第4段:4個が2個になり一瞬で4個にもどる
■第5段:4個が一瞬で1個になり一瞬で4個にもどる
■第6段:ボールが増え続けて最後にケーンになる
■おわりに
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■【ステージマジック基礎講座11】ショーにおける手順の構成
前回は、個別の作品としての「ルーティーン」の考え方を紹介しました。
今回のテーマは「ショーにおける手順の構成」。
個々の作品を積み上げて1つのショーを構成する、より大きな意味での「ルーティーン」ということになります。
「起承転結」の重要性など、よく言われることではありますが、なかなか実際に行うと難しいものです。
この講座で学んできた作品を実例として挙げているために、具体的で分かりやすい説明となっています。
お楽しみに。
聞き手:眠都(ミント)
本講座も、いよいよ最終段階に差し掛かってまいりました。
「四つ玉」は、テクニカルなマジックですから相応の練習が必要とは思いますが、
実際にやってみると、そんなに難しいものではありません(もちろん手順にもよりますが)。
固形物・立体物としてしっかりとした形を持っていて、方向性もないなど、シンプルであるがゆえに扱いやすいのです。
マジッククラブで必修としているところもあるということは、裏を返せば、誰でもマスターできるということでもあります。
苦手意識がある方も、ぜひカタヤマ氏の指導・手順を基に、チャレンジしてみてください。
舞台での立ち振る舞い、示し方など、基本的な点がきちんと身に付くように、詳しく教えています。
テクニック的にも、入門とはいえかなり高度な域まで踏み込んでいて、ある程度手がけたことのある方にも参考になると思います。
舞台で「四つ玉」、いかにも「マジシャン」らしい、格好良いパフォーマンスです。
皆さんも、四つ玉の世界に嵌ってください。
文字起こしの要約
収録時間:約1時間42分
本作は、スライハンドマジックの代表的現象である「四つ玉」を体系的に学べるレクチャーです。四つ玉は指先でボールを増やしたり減らしたりする古典的マジックで、ステージマジシャンの基礎技術とされています。道具の選び方、シェルの扱い方、フィンガーパーム・クラシックパームといった基本テクニックの確認から始まり、初心者向け・中級者向け・発展型の3種類の手順を段階的に解説しています。
①基本手順:1個のボールが4個に増え、再び消えていく基本ルーティン。テーブルを使う方法とポケットのみで行う方法、シルクへの変化で終わるエンディングも紹介されます。
②応用手順:ポケットから1個ずつボールを出していき4個に増やす第1弾、4個が一瞬で1個になる「グルンチョパ」を用いた第2弾、4個が投げる動作で消えていく第3弾の3パートで構成されます。
③発展型手順:バニシングケーン・アピアリングケーンの自作方法や扱い方も解説した上で、ケーンがシルクになりボールが現れる演出、両手でのボールの改め、4個が1個に、1個が4個になるクライマックス、最後に多数のボールが出現しステッキへと変化する劇的なエンディングまでを一連の流れとして紹介します。
付録として、ステージマジック構成論のミニ講座も収録されており、起承転結に基づくショー構成の考え方が語られます。基礎技法の確認から発展的な演出まで幅広くカバーしており、スライハンドマジックに取り組む中級者以上の方に適した内容です。
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